婚姻(結婚)の取り消しについて

前回は結婚の無効についてお話しましたが、今回は結婚の取り消しについてお話していきます。
この婚姻(結婚)の取り消しは、離婚とも意味合いが違うし、無効とも違うものだとはご理解ください。

まず、近親婚は取消し事由になります。
直系血族3親等内の男女は婚姻ができません。直系血族3親等内というと、いとこ・はとこ同士は婚姻可能になります(民法734条)。また、直系姻族間同士で認められていませんから、死別した妻の子供との婚姻は、取り消し事由になります(735条)。この場合は、各当事者やその親族、検察官が取消権者となります。

このへんの親族・姻族関係については、こちらでご確認ください。

次に、男は18歳未満、女は16歳未満の婚姻は認められていません(民法731条)。よって、男17歳、女15歳の婚姻は取消し事由になります。取消権者は近親婚の場合と原則同じですが、結婚した者同士が男18歳、女16歳になったら取り消しはできません(民法745条1項)。ただし、当事者同士は、適齢年齢でも、適齢後3ヶ月は取消権行使できます(民法735条2条本文)。

他には、重婚(民法732条)や待婚期間違反(民法733条)も取り消し事由になります。このあたりは、婚姻障害事由ですのでそちらも参照してみてください。
婚姻障害となる事由とは

他には、詐欺・強迫にて婚姻した場合も取消し事由になります(民法747条1項)。
この場合の取消権者は、検察官、当事者の親族ではなく、詐欺・強迫、騙されたり脅されたりで婚姻の意思表示をした者、つまり結婚当事者になります。ただし、騙されたことに気がついたり、強迫を免れてから3ヶ月を過ぎたり、のちに「まあいいや」と追認した場合は取り消しはできません。

取り消しは、取消権者から裁判所に請求することになりますが、この請求が認められれば、財産関係は遡及するが、身分関係は遡及しません。

つまり、財産関係は婚姻によってた財産を得た当事者はその財産を変換しなければなりません。身分関係は遡及はしないので、生まれた子供は非嫡出子になるようなことはありません。ここは、無効とは違う部分ですね。