失踪宣告について -概要-

例えばです。

ある家庭で、お父さんが、ある日突然、いなくなってしまいました。
本当に突然に。残された家族は、探しますが、一向に見つかりません。
お父さんからの連絡もありません。

そんなこんなで月日は経ちます。
家族は、お父さんは、どこかでちゃんと生きていてくれている、
明日にでも帰ってきてくれるとは信じていますが、反面、あきらめています。

気持ちはそういう状態ですが、実際は、
お父さんの生死がはっきりしないので、不都合が出てきました。

もし亡くなっていれば、相続の問題も出てきます。
稼ぎ頭がいないので、貯金はあったとしても、減る一方です。
切実な問題ですよね。


家も土地もお父さん名義だし、それ以外にもお父さん名義の財産がたくさんあります。
現実問題として、「お金」は生活していくうえで大切なものですからね。

このように、失踪者の生死が長期間不明の場合において、その者のを死亡とみなし、
従来の住所を中心とする法律関係を確定させる制度があります。

これを「失踪宣告」といいます。

失踪宣告が裁判所に認められれば、その者は死亡したとみなされ、
法律関係も安定してきます。

例で言えば、お父さんは死亡したとみなされ、
相続が開始されます(民法31条)。

さて、その失踪宣告ですが、家庭裁判所に請求して、
一定の手続きのもとに宣告されるわけですが、誰がその請求をできるのでしょうか。

それは、配偶者や、推定相続人(相続が開始された場合、
被相続人になりと推定される者)等が、その請求権者に当たります。

家族が請求権者となると考えて差し支えないと思います。

このような私的なことには、裁判所が勝手にすることもできません。

失踪宣告の概要でした。